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「小学校で詩の授業」の様子 [日記]

11月24日付の静岡新聞にて、浜松市立船越小学校での「詩の授業」を紹介いただきました。

記事には「今ここにいる幸せ考える」という、すてきなタイトルがついています。

以下の写真は、記者の佐藤章弘さんが撮影してくださったものです。

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小学校で詩の授業 始まる [日記]

東京都北区の赤羽小学校で、10月~12月のあいだ、全校生徒を対象に「詩の授業」をやらせていただくことになりました。1年生~6年生・全18クラスで、45分授業を2コマずつ実施します。1時間目は「自分の名前」、2時間目が「詩の授業」です。

特別の詩ノートが配られ、初めはただのノートだったものが、授業が終わると生徒一人一人の「詩集」に変身し、生徒はみな詩人になります。

2年生3クラスから始まりました。「自分の名前」の授業では同名の宿題が出て、クラス全員が「詩」を書きました(作文ではありませんよ、「詩」です)。

10月23日には、赤羽小の先生方に生徒になってもらって、「詩の授業」をしました。先生たちが詩が好きになってくれたら、どんなに子どもたちは幸せでしょう。

11月15日には、赤羽小学校の先生方による研究発表会があり、指導にあたった青山学院大学・小森教授のお話がすてきでした。絵本「スイミー」の深いメッセージが解き明かされ、感銘を覚えました。ぼくも「詩は教えられるか」というタイトルでお話をしました。

11月19日には、浜松の船越小学校で6年生2クラスの「詩の授業」をさせていただきました。詩を読んだことがある、詩を作ったこともある、でも詩が好きな人は一人もいませんでした(これは、どこの小学校でも同じです)。それが、45分2コマの授業が終わると、「詩が好き」という生徒がたくさん生まれました。

宿題の詩「自分の名前」は、翌日には全員が提出したそうで、担任の先生は「ちゃんと詩が書けていましたよ!」と嬉しい報告をしてくださいました。

11月も12月も、子どもたちに「詩の授業」をつづけます。来年の1月には、谷川俊太郎さんと高知県の佐川町にご一緒します。ぼくは数日の泊りがけで詩の授業をします。

ぼくはいま「詩の授業」にハマりました。
子どもたちから教えられ、エネルギーをもらい、「天職」を見つけたように幸せです。

田中 和雄
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“3人の”あべ弘士さん [日記]

6月半ばの週末、北海道の旭川市に行って、
ジュンク堂書店旭川店で、“3人の”あべ弘士さんに会いました。

その1。あべさんは、言わずと知れた動物の絵描きです。
うまい! あきれるほどうまい絵描きです。
でも、あべさんの絵には悲しみがあります。ゴリラの背中にも、ナマケモノの手にも。
みんな、この世界の一瞬を生きている悲しみが漂っています。
だから、あべさんの絵は何度も見たくなるのです。

その2。昔あべさんは、あの旭山動物園の飼育係をやっていました。
あべさんは動物が好き。動物もあべさんが好き。
なぜか。あべさんの体からは、オーラが出ているのです!
アルファ波がトプントプン出ているのです。
人間たちも、このアルファ波に惹き込まれて、飲み屋のオッサンもバーのマスターも、ぼくも…。
みんな、あべさんが大好きです。

その3。あべさんは「詩人である」ぞ!
『どうぶつえんガイド』(福音館書店)の横書きの文字を、タテ書きにして読んでみると――
あれれ、説明文だと思っていたのが、とてもきれいな動物讃歌の詩になっていました。
みなさんもぜひ試してみてください。

――というわけで、さる6月16日、
ジュンク堂書店旭川店ギャラリーでのあべさんとの対談は、
楽しくて楽しくて、あっという間に一時間が過ぎました。
そのあとは、もちろん一杯! 午前サマになりました。

※ジュンク堂書店旭川店1Fでは、童話屋詩文庫全点フェアを開催しています。

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すごいぞ、今年の谷川俊太郎さん [日記]

今年の谷川さんは、新年早々から大当たり・千客万来!
5月までに新刊が12冊。流行作家もびっくりです。

1月---
 詞華集『ぼくは ぼく』(童話屋)
 詩集『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)
 『写真』(晶文社)
 『散文』(晶文社)
2月---
 『すてきな曲芸師アンジェロ』(訳絵本、好学社)
 『おおきなひとみ』(芸術新聞社)
 『歌に恋して』(音楽之友社)
3月---
 『みならい騎士とブーツどろぼう』(訳絵本、好学社)
 『つなひき』(訳絵本、BL出版)
 『混声合唱とピアノのための 組曲 いのち』(音楽之友社)
4月---
 『せんはうたう』(ゆめある舎)
5月---
 詩集『ミライノコドモ』(岩波書店)

とくに1月に出た『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)は、初版はたちまち売れて、
矢継ぎ早に2・3・4・5・6・7刷とつづき、5月までに計5万冊!とのこと。
この調子だとまちがいなく年内10万冊のベストセラーです。

それもそのはず、岩波文庫といえば従来、古典となった作者が取り上げられるもの。
これまで日本の詩人でいえば、三好達治さんまででした。
谷川さんは初めて同時代の詩人として殿堂入りしたわけです。

同じ1月に出た童話屋の『ぼくは ぼく』だって、負けてはいません。
重版も迎えることができました。
部数でいうと岩波文庫とは、横綱と十両の差ですが…。

---
ぼくは、谷川さんと、自選詩集の解説を書いた山田馨さんの対談会を、都内で3つ企画しました。
さる3月は銀座の教文館ナルニア国、4月はジュンク堂書店の吉祥寺店、
5月は新宿の紀伊國屋サザンシアターで。
テーマは「詩を書くこと・詩を選ぶこと」、各回ともお二人の白熱漫談。
詩の深い話も、別れたヨメサンの話もあり、賑わって大好評でした。
ご来場くださった方々にお礼申し上げます。

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萬願成就―茨木のり子さんのお墓参り [日記]

2月17日は茨木のり子さんの命日です。
本年の命日に合わせて新しい詞華集『わたくしたちの成就』を茨木さんにお見せしたくて、山形県鶴岡市にある浄禅寺に行ってきました。亡き夫・安信さんの眠るお墓に、茨木のり子さんも眠っておいででした。

安信さんが亡くなったあと、30年以上も一人の生涯を送った茨木さんは、安信さんのお骨の一部を大事に自室に飾っていました。ご自身も世を去って、そのお骨と一緒に茨木さんも、やっと眠りについたのです。

ふだんは他人様の墓参に出かける性質ではないのですが、今度ばかりは、編集を始めたときからずっと「待っていてくださいね、いまに見せに行きますよ」とつぶやいてきました。
茨木さんが思いを成就なさったように、ぼくも「満願成就」でありました。

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「きみは詩人だよ」と言われて嬉しくなった子どもたち。 [日記]

先月は中学校に呼ばれて、詩の話をしてきました。
一つは高知県の佐川中学校で「詩のトビラ ひらけごま!」、もう一つは東京都杉並区の井萩中学校で「いい詩と出会う」というタイトルでした。

話のはじめに「自分を詩人だと思っている人は手を上げてください」と聞いたら、一人の手も上がりませんでした。

そこで、三好達治さんが書いた「詩を読む人のために」(岩波文庫)の中から、「詩を読み詩を愛する者はすでにして詩人である」という一節を借用して、「詩を一つでも読んだ人は、もう詩人で、詩を好きな人はもっと詩人で、自分で詩を書いた人はもっともっと詩人です」と話したところ、子どもたちから「詩人と言われてうれしかった」という感想がたくさん届きました。

ぼくが駆け出しの編集者だったとき、三好さんに「君はすでに詩人だよ」と紙背から言われて励まされた記憶を、そのまま子どもたちにも語ってみました。学校訪問はこれからも続きます。
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山根基世さんの絶品朗読! [日記]

 去る3月17日土曜、石垣りん文学記念室(南伊豆町)3周年記念イベントにご来場くださった皆さま、どうもありがとうございました。
 当日はNHK元アナウンサーの山根さんに来ていただいて、田中と対談。代表作「表札」をはじめ、石垣さんの詩の朗読をたくさんしていただきました。
 詩集「レモンとねずみ」のなかの「シコタマ節」や「すべては欲しいものばかり」というユーモラスな詩では笑い声も聞こえ、また詩集「空をかついで」からの「その夜」では、一転、涙を誘う場面もありました。

 こうして記念室イベントは無事3年目を終えましたが、来年はどんなことをしようか、どなたをゲストにお呼びしようかと悩みます。いいお知恵があったら教えてください。

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谷川さんの傘寿ベリマッチの会 [日記]

 先週14日に渋谷で開催された、谷川俊太郎さん80歳のお誕生日会「傘寿ベリマッチの会」に呼ばれて行ってきました。
 ご子息・賢作さんのピアノあり、和田誠さんやくどうなおこさんとの鼎談あり…小室等さん、糸井重里さんら多数のお客さまで賑わいました。
 会場には、谷川さんの姿を型どったクラッカーが用意されていて、6種類のペーストをつけて、皆で頭からガリガリかじりました。(楽しいアイデアです)
 谷川さんからのお土産付き、抽選で景品もたくさんです。「傘寿を祝う」という80行のお洒落な詩も、お土産に入っていました。
 たくさんのいい友達に囲まれて、谷川さんは恥ずかしそうにこの日ばかりはおとなしくしていました!
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いのちをいつくしむ心 [日記]

 8月15日がもうすぐ来る。日本が戦争に敗けて64年が経つ。日本は憲法9条という箍にはばまれて平和がつづいているが他国では戦禍が絶えない。
戦争を引き起こすのは誰だろうか、と歴史をひもといてみると、圧倒的に男だちだ。男のからだのなかには戦争のDNAがあるのだろうか。どうもあるように思える。このDNAを根こそぎ剪みとってしまうことができないかしらん。

 すこし前に浜松の小児科のお医者さまから一本のビデオテープを送っていただいた。小学校や中学、高校の子どもたちが赤ちゃんと遊んだり、抱っこしたりする姿が生き生きと映しだされている。女の子はもとより男の子の表情が明るくて、ニコニコ笑っているのが印象的だ。男の子はちゃんばらや戦争が好きというのはひどい誤解だ。男の子の心にいのちをいつくしむ心があって、それがいたいけな赤ちゃんによって引きだされてくるのだろう。登場する男の子の顔も、ハッとするほどやさしい。

 戦争を廃絶するなんて口で言うのはやさしい。ぼくは、この一本のビデオテープを見て、ほんの少し希望を持った。祈ったり、誓ったりするだけでは足りない。小さくても、一歩を踏み出したいと思った。

梅もぎ [日記]

 甲州の山にあるぼくの住まいに、梅の巨木が三本あり、今年も、もぎどきになった。白加賀という梅である。毎年たわわに実る。住んだはじめはこまめに梅干や梅酒作りに励んだが五年もすると飽きてしまって、実るがまま、落ちるがままになっていた。それがここ3、4年は貰ってくれる人が現れて、この季節、にわかに梅の実もぎは活気づくようになった。「のはらうた」の作者、くどうなおこさんである。

 20年も前になおさんは、ぼくに梅干漬けの秘伝を教えてくれた。たちまちぼくの腕は上達して師匠に負けぬ美味しい梅干ができるようになった。秘伝の一つは土用干しの際、一日になんどもひっくり返し、その折、指先でもむのである。生干しの梅はぷにょぷにょしていて、もんでいるとうっとり喜ぶような気配になる。

 あるとき、上出来の梅干しを師匠に献上して、習い覚えた秘伝のもみ方について、つい講釈した。師匠は目をむいた。「それは わしがあんたにおしえたことじゃろうが」と叱られた。

 その師匠の頼みである。「あるたけ、ぜんぶ送れ」というので明日6/21(土)は梅の木にのぼり、へっぴり腰で梅もぎにはげむことになる。

 梅もぎの季節が来たのだ。
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