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梅もぎ [日記]

 甲州の山にあるぼくの住まいに、梅の巨木が三本あり、今年も、もぎどきになった。白加賀という梅である。毎年たわわに実る。住んだはじめはこまめに梅干や梅酒作りに励んだが五年もすると飽きてしまって、実るがまま、落ちるがままになっていた。それがここ3、4年は貰ってくれる人が現れて、この季節、にわかに梅の実もぎは活気づくようになった。「のはらうた」の作者、くどうなおこさんである。

 20年も前になおさんは、ぼくに梅干漬けの秘伝を教えてくれた。たちまちぼくの腕は上達して師匠に負けぬ美味しい梅干ができるようになった。秘伝の一つは土用干しの際、一日になんどもひっくり返し、その折、指先でもむのである。生干しの梅はぷにょぷにょしていて、もんでいるとうっとり喜ぶような気配になる。

 あるとき、上出来の梅干しを師匠に献上して、習い覚えた秘伝のもみ方について、つい講釈した。師匠は目をむいた。「それは わしがあんたにおしえたことじゃろうが」と叱られた。

 その師匠の頼みである。「あるたけ、ぜんぶ送れ」というので明日6/21(土)は梅の木にのぼり、へっぴり腰で梅もぎにはげむことになる。

 梅もぎの季節が来たのだ。
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