阪田寛夫「まどさんのうた」 [出版]
「まどさんのうた」(阪田寛夫著)が1,000冊増刷された。1989年に初版が出て、今度で8刷累計21,000冊になる。
阪田さんは童謡「サッちゃん」が有名だ。芥川賞作家で童謡詩人で、まどさんが大好きな、すてきな紳士だった。25年も昔のことだが、阿佐ヶ谷の虎屋という喫茶店で初めてお目にかかった。虎屋には「あんみつ」もあるが阪田さんはふつうのコーヒーを頼んだ。阪田さんはぼくが差し出した本の見本を見てびっくりなさった。そこには「まどさんのうた」阪田寛夫と、今の表紙のタイトルがそのまま描いてある。「こんな本ができましたか?」と言われるので「はい、そのうち、できます。」と答えると、涼やかな笑顔で「まどさんのことなら、何でも引き受けてしまう癖がありまして・・・」とはにかまれた。
それから本が出来るまでに5年もかかった。校正がすごかった。本刷りの日にも、印刷所に電話がかかってきた。阪田番の編集者の間では有名な話だったそうである。
久しぶりに前書きから読んだ。阪田さんのやさしい声が紙背から聞こえてくるようだ。まどさんが七十歳になったころの大発見を紹介している
まちかどは まいにちまいばん
まじめに まちかどっとしている
まちのそらのましたで
こういう詩をふつう大人は書かない。なぜこんな詩が書けるかというと「まど・みちおさんの心に明るい窓があって、みんなが見すごす大事なものを、ちゃんと見てくれている。」と阪田さんが言う。
まどさんを、ただの童謡詩人だと思っている大人が多いが、阪田さんは(谷川俊太郎さんも)まどさんが、現代詩人の中で最高の詩人だと見抜いた。
この「まどさんのうた」を読むと、まどさんのすごさが判る。そのすごさを見抜いた阪田さんは、今は亡い。
今日、久しぶりに阪田さんの声を聞いた。
阪田さんは童謡「サッちゃん」が有名だ。芥川賞作家で童謡詩人で、まどさんが大好きな、すてきな紳士だった。25年も昔のことだが、阿佐ヶ谷の虎屋という喫茶店で初めてお目にかかった。虎屋には「あんみつ」もあるが阪田さんはふつうのコーヒーを頼んだ。阪田さんはぼくが差し出した本の見本を見てびっくりなさった。そこには「まどさんのうた」阪田寛夫と、今の表紙のタイトルがそのまま描いてある。「こんな本ができましたか?」と言われるので「はい、そのうち、できます。」と答えると、涼やかな笑顔で「まどさんのことなら、何でも引き受けてしまう癖がありまして・・・」とはにかまれた。
それから本が出来るまでに5年もかかった。校正がすごかった。本刷りの日にも、印刷所に電話がかかってきた。阪田番の編集者の間では有名な話だったそうである。
久しぶりに前書きから読んだ。阪田さんのやさしい声が紙背から聞こえてくるようだ。まどさんが七十歳になったころの大発見を紹介している
まちかどは まいにちまいばん
まじめに まちかどっとしている
まちのそらのましたで
こういう詩をふつう大人は書かない。なぜこんな詩が書けるかというと「まど・みちおさんの心に明るい窓があって、みんなが見すごす大事なものを、ちゃんと見てくれている。」と阪田さんが言う。
まどさんを、ただの童謡詩人だと思っている大人が多いが、阪田さんは(谷川俊太郎さんも)まどさんが、現代詩人の中で最高の詩人だと見抜いた。
この「まどさんのうた」を読むと、まどさんのすごさが判る。そのすごさを見抜いた阪田さんは、今は亡い。
今日、久しぶりに阪田さんの声を聞いた。
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